薬剤について

シロアリ防除薬剤の有効成分は、農薬などの殺虫剤と同じ有効成分が用いられています。農薬については、法的な規制(農薬取締法)によって濃度や使用量、安全に対する試験方法が定められ基準が設けられています。防疫用薬剤も薬事法によって承認、許可を得た医薬品及び医薬部外品となっています。

シロアリ防除薬剤は化学物質審査規制法で審査される化学物質に留まり、厳密に取り締まる法律が無いのが現状です。業界団体である「財団法人日本しろあり対策協会」「社団法人日本木材保存協会」による自主規制しかありません。

ピレスロイド系

中枢・運動神経に作用します。即効性であることが特徴です。

『有効成分』 
ベルメトリン・トラロメトリン・ビフェントリン・ シフェノトリン・プラレトリン

ネオニコチノイド系

煙草に含まれるニコチンに似た構造を持ち、ニコチン性神経伝達物質の受容体に作用し、殺虫効果を発揮します。

『有効成分』 
イミダクロプリド・アセタミプリド・クロチアニジン・ジノテフラン・チアメトキサム

有機リン系

クロルデンが禁止された後、クロルピリホスがよく用いられました。2003年建築基準法の改正によりクロルピリホスは使用禁止になりました。

『有効成分』  
フェニトロチオン・プロペタンホス

非エステルピレスロイド系

ピレスロイド系に似た作用を示し、比較的魚毒性が低いのが特徴です。

『有効成分』
エトフェンプロックス・シラフルオフェン

フェニルピロール系

呼吸阻害により効果を発揮します。比較的遅効性です。

『有効成分』 
クロルフェナピル

フェニルピラゾール系

神経伝達部に作用します。低薬量で高い殺虫効果を示します。

『有効成分』 
フィプロニル

カーバメイト系

神経系に作用します。熱や光・酸に対する安定性は高く、アルカリによる加水分解を受けやすい性質があります。

『有効成分』 
フェノブカルブ

天然物系

『有効成分』 
ピレトリン(防虫菊)・カプリン酸

シロアリと薬剤の関係

忌避性:薬剤の危険を嫌って、周りのシロアリが逃げてしまう

ピレスロイド系:ビフェントリン・ペルメトリンなど

有機リン系:クロルピリホス・ホキシムなど

その他:カーバメート系・木酢液・ヒバ油・月桃エキスなど

非忌避性:薬剤の危険を認知しないでシロアリが接触してしまう

フィプロニル・クロチアニジン・クロルフェナピルなど

マイクロカプセル剤・ホウ酸製剤

薬剤の剤型

【油剤】  
有効成分を溶剤に溶かし、均質の液状とした製剤。希釈せず使用します。

【乳剤】  
有効成分を溶剤に溶かし、界面活性剤(乳化剤)を加えて均質な液状とした製剤。使用時は水で希釈します。

【水和剤】  
有効成分に増量剤及び補助剤を加え、均質に混合・粉砕した微細な粉末製剤。使用時は水で希釈します。

【フロアブル剤】(FL剤・SC剤)  
固体の有効成分を微粉末にし、界面活性剤などを加え、水に分散させた製剤。使用時は水で希釈します。

【マイクロカプセル剤】(MC剤)  
有効成分を超微小なカプセルに入れ、シロアリの体内で潰されることにより有効成分を放出させる製剤。使用時は水で希釈します。

【粉剤】  
有効成分に増量剤を加え、粉砕した粉末状の製剤(粒径:0.01~0.03mm)そのまま使用します。

【粒剤】  
有効成分に増量剤を加え、粉砕した製剤(粒径:0.3~1.0mm)そのまま使用します。

【ベイト剤】  
遅効性の有効成分や昆虫成長制御剤を、餌(木材・紙など)または誘引物質に配合した製剤。シロアリの巣の周囲や蟻道に配置し、コロニーの衰退・全滅を図ります。

薬剤使用は手段であり方法ではない

シロアリ駆除・対策処理は薬剤を散布する事だけではありません。シロアリ侵入の可能性がある部分や構造に対して、いかに進入を食い止めるか、侵入してしまったシロアリをいかに駆除するかが重要です。

薬剤の使用はその手段の一つであり、方法では無いと考えています。大量に薬剤を床下に散布しなければ、シロアリが駆除出来ない訳ではありません。必要な処理を状況に合わせて施すことが大切です。