住宅構造とシロアリ被害の関係

近年住宅の構造は住む人の快適さや、耐震性能の向上など多様に変化しています。それに伴いシロアリの侵入経路やシロアリ被害の進行状態など、今までの概念では適切な対応が困難な場合が増えているのが現状です。

多種多様な建物構造に対応した、シロアリの対策処理が求められるなか、従来通りの対策処理をマニュアルとしている方法は問題です。このページにおいて、実際のシロアリ被害の状況を交えながら建物に対するシロアリの影響をお伝えします。

シロアリ被害に対する見解は様々ですが、シロアリ被害に遭遇してしまった建物に対して、適切なシロアリ駆除を施す事が重要です。「この様な造りだから、シロアリ被害が起こった」と言うことでは無く、様々な住宅構造に対して、実際シロアリ被害が起こっていることを認識して下さい。

昔の住宅

古い時代からシロアリの生息は確認され、家屋に被害ももたらしていました。昔の住宅構造がシロアリの侵入を確認しやすく、簡単に駆除出来る造りだったのです。構造的にも複雑なものではなく、容易に人が床下や壁部分の確認が出来る造りということが今との違いです。

侵入され易いが駆除が簡単

下記写真のように複雑化されていない住宅構造であれば、シロアリに侵入され易いかも知れないがシロアリ駆除をすることも簡単です。また木部材が露出していますので、シロアリに侵入された場合でも比較的初期の段階でも気が付くことが出来ます。

現在の住宅構造のように、柱や土台が壁の中で直接触れることも、目にすることも容易に出来なくなった造りの場合、住んでいる方が早期のシロアリ発見をすることが難しくなってきます。

隙間や壁の中や構造体の合わせ部分など、直接目で確認できない部分をシロアリが進行してしまうことが増えている、現在の住宅の構造ですとシロアリ駆除を施す点でも簡単に出来ないことも起こりえます。

高さのある縁側     木材の露出が重要

高さがイメージしにくいですが床下は大人が中腰でも入れる高さです。基礎で囲むこともありませんでした。風通しは勿論、定期的に床下も掃除が出来る造りでした。
玄関については、建物の一部でありながら外という感覚です。入り口の造りもコンクリートに柱は埋まっていません。
出来る限り、床下の木部材は露出していたのです。

玄関の踏み台     土台の露出

踏み台を設置しないと玄関に上がるのが高くて大変でした。土台も露出しており、シロアリなどの侵入はすぐに目に出来る造りです。玄関にタイルを貼ることもなかったので、隙間からのシロアリ侵入も少なかった筈です。

床下が露出されていない造り、基礎で囲んでしまった造りが新たなシロアリ侵入を招いてしまうのです。耐震構造・機密性・断熱性と住宅構造の変化に対応したシロアリ対策処理が求められています。

従来のシロアリ駆除・対策処理方法では片手落ちの対策になってしまうことも考えられます。住宅の構造様式に我々シロアリ業者は対応出来る努力が必要です。

シロアリ侵入経路

建物へ影響(シロアリ被害)を与える土壌性シロアリは、ヤマトシロアリ・イエシロアリが代表です。土壌性シロアリは土を介して建物の木部材に侵入してきます。

「木の中にタマゴを生み付けられ、成長するという侵入はありません」建物構造や床下構造により侵入経路は様々であり、複雑なシロアリの侵入が起こる事もあります。

床下が土の造りの場合

土の床下 

床下の土壌面や建物の周囲(基礎に隣接)に生息していたシロアリが、基礎や束柱に蟻道を作り侵入してきます。

床下がコンクリート張りの場合

コンクリートの床下 

コンクリートで覆われた床下の構造が増えてきていますが、基礎や束石との境目にひび割れや隙間が生じることがあり、その部分からシロアリの侵入が起こります。配管の埋設部分、水漏れ対策の水抜き穴からのシロアリ侵入もあります。

玄関の場合

三和土からの侵入 

風呂場の造りがユニット式が増えている関係で、玄関でのシロアリ被害の発見が多くなりました。框土台の床下側(土留め部分)やドア柱からのシロアリの侵入です。

コンクリートの床下とシロアリ

コンクリートへの侵入     基礎立ち上がりの打ち継ぎ

床下がコンクリート張りの造りにはベタ基礎、防湿コンクリートという工法があります。ベタ基礎構造・防湿コンクリート構造どちらを施すにしても、基礎の立ち上げ部分と土壌部分は別々にコンクリートを打つ場合があるため、隙間が生じてしまうことがあります。

基礎金具     配管埋め込み
基礎型枠の金具             配管の立ち上げ

基礎の隙間からの蟻道     蟻道のアップ

コンクリート張りの床下でも、基礎の継ぎ目に発生する隙間や、コンクリートに出来るひび割れ、配管の立ち上げ部分の隙間などからシロアリは侵入します。矢印部分が蟻道です。