シロアリ生態

シロアリは不完全変態:脱皮により成長

シロアリの一生

女王・王のどちらかが欠けた場合、ニンフ・幼虫段階から副女王・副王となりコロニー(集団)の形成を維持し続けます。羽アリは毎年そのコロニーから発生るものではありません。

コロニーが大きくなった状態や環境に適応するために、一部のシロアリが羽アリとして飛び立つのです。羽アリは雄雌つがいとして新たなコロニーを形成していきます。

通常の昆虫のように、卵・幼虫やがて成虫となる時期は決まっていません。1年中産卵が見られ、成長を繰り返しているのです。

シロアリの生態で他の昆虫と異なる点として、幼虫時期に分化していく過程で、兵蟻・職蟻・ニンフ階級に分かれ、コロニーの状況により副女王・副王アリとして産卵します。下等な虫であり個体での活動を苦手とするため、このように数での生き残りを選んだものと考えられ、シロアリの生態の不思議なところでもあります。

シロアリ階級分化

シロアリの成長(分化)をもう少し細かく見ると、卵から孵化した幼虫は複数段階の脱皮を繰り返し成長していきます。成長の過程において、ニンフ(やがて羽アリとなる)・職蟻・兵蟻と階級が決まっていきます。

コロニー(集団)の維持

シロアリの生態で重要なことは、シロアリは環境の変化や生息状態にとても敏感で、影響を受けやすいです。言い換えれば個体(一匹一匹)はとても弱い虫なのです。

シロアリは生態を維持するために、数を絶やさない手段を持っています。

羽アリが飛び出し羽を落として(落翅虫)となり雄雌で新たな女王・王となるのですが、集団の状態などで副女王・副王アリ(継承生殖虫)なるものを発生させます。

この継承生殖虫がコロニーの個体数の維持に、非常に重要な役目をになっているのです。

女王と副女王     幼虫は体が小さいだけ
 ヤマトシロアリの生殖虫       幼虫(丸内)と成虫

シロアリはタマゴ==>幼虫==>成虫という成長をする、不完全変態です。

羽アリが成虫ではありません。タマゴから孵化したばかりの、小さな状態が成虫です。

羽アリになるのはコロニー内の一部のシロアリで、ほとんどのシロアリは羽アリにはなりません。

羽アリになる「ニンフ」    ヤマトシロアリ羽アリ    羽を落とした「落翅虫」
ニンフ(羽アリになる前)  羽アリ(ヤマトシロアリ)  落翅虫(羽を落とした状態)

シロアリは完全変態(タマゴ==>幼虫==>さなぎ==>成虫)ではなく不完全変態をする昆虫で、卵から幼虫・ニンフを経て有翅虫(羽アリ)となります。

幼虫からの発育途中で職蟻(働きアリ)兵蟻(兵アリ)ニンフ階級に分化します。職蟻・兵蟻の状態で成虫です。

完全変態と不完全変態とは?

昆虫の成長段階で、タマゴ=>幼虫=>さなぎ=>成虫=完全変態  クロアリ・ハチ等

タマゴ=>幼虫=>成虫=不完全変態  カマキリ・セミ・ゴキブリ等

副女王・副王とは?

女王・王のどちらか、または両方が死亡もしくは傷付いたりした場合、幼虫から羽アリに発育する段階で女王・王の代わりをして産卵します。この様なシロアリの生態により、個体数を維持していけるのです。

羽アリはなぜ出るのか?

巣分かれと考えられています。コロニー(集団)がいっぱいの状態になると、コロニーを維持するために羽アリとして、一部のシロアリを別集団にするために飛び出します。コロニー周辺の環境の悪化でも羽アリを出します。

羽アリが出るとシロアリはいなくなる?

羽アリはコロニー(集団)の一部約1~5%が飛び立ち、残りはそのままコロニーの維持をしていきます。羽アリが出ても「シロアリは居なくなりません」またシロアリが生息していても、コロニーの状態により羽アリが毎年出るとは限りません。

羽アリはどの位飛ぶの?

数は数十匹~数百匹出てきます。飛べる距離はあまり遠くへは飛べません。発生したところから風に乗るような感じで飛びます。地面に着くと土の中にもぐり込みます。

杭からの郡飛

羽アリの発生(群飛:グンピ)は午前中、とくに正午前後が活発です。この時普段は表に現れる事のない兵蟻も、羽アリが無事に飛び出せるように偵察のため表に現れます。